「生まれてくる赤ちゃんに、口唇口蓋裂があると言われた。」
「子どもの唇や口の中に生まれつきの形の違いがあるみたい…。」
そんな状況に直面し、不安を感じている方もいるかもしれません。
ただ、口唇口蓋裂は珍しい症状ではなく、適切な治療を受けることで
その後の生活に大きな支障なく成長していくことができます。
今回は、そんな口唇口蓋裂の特徴や原因、
そして治療の流れについて解説します。
口唇口蓋裂ってどんな症状?
口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)とは、
先天的に唇や口蓋(こうがい/口の天井部分)に割れが生じ、
うまくつながっていない状態のことをいいます。
発生頻度はおよそ500〜600人に1人で、
日本では決してまれな先天性の状態ではありません。
口唇口蓋裂は、大きく以下の3つのタイプに分類されます。
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①口唇裂
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②口蓋裂
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③口唇口蓋裂
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●口唇裂(こうしんれつ)のみ
唇が先天的に割れていて、つながっていない状態です。片側だけに生じる「一側性」と、
両側に生じる「両側性」があります。 -
●口蓋裂(こうがいれつ)のみ
上アゴ(口蓋)に割れが生じた状態です。外見からは気づかれにくいことも多いですが、
哺乳や発音などに影響が出ることがあります。 -
●口唇口蓋裂(両方)
唇と口蓋の両方に割れが生じているタイプです。上記2つが同時に起きている状態で、
治療の範囲も広くなります。
乳児期は母乳などで栄養を得ますが、
口唇口蓋裂があると十分な栄養を摂りにくくなることがあります。
また、口蓋が割れていることで鼻腔に汚れが入りやすく、
炎症を起こしやすくなったり、
歯が生えず歯並びに影響が出ることもあります。
口唇口蓋裂の原因は?
口唇口蓋裂は、原因が不明なものが多いとされています。
「親の何かが原因では」と自分を責めてしまう方もいますが、
多くのケースで特定の原因を断定することは難しく、
親御さんの責任ではないことがほとんどです。
現時点では、妊娠初期に以下のような要因が重なると
発生リスクが高まる可能性があるといわれています。
●一部の薬の服用
(ステロイド薬・鎮痛薬など)
●風疹への感染
●放射線被爆
●遺伝的な要因
●母体の栄養不足・強いストレス
口唇は胎生7週ごろ、口蓋は胎生12週ごろに形成され始めます。
この時期は口の形が作られる大切な時期であり、
この時期に上記要因が加わると影響を受けやすいとされています。
治療はどのように進んでいくの?
口唇口蓋裂の治療は、一度で完了するものではなく、
成長の段階に合わせて長期的に進んでいきます。
複数の診療科が連携しながらサポートしていく点が特徴です。
#01乳児期:
哺乳の補助と手術の準備
生まれてすぐの時期は、哺乳を助けるための装置(ホッツ床など)を
製作することがあります。口唇裂の手術は生後3ヶ月以降、成長を見ながら
唇を閉鎖する手術を行います。
#021歳半ごろ:
口蓋を閉鎖する手術
口蓋裂に対しては、顎の発育を促したり哺乳を補助するための装置を製作し、
1歳半ごろを目安に口蓋を閉鎖する手術を行います。この手術により、食事や
発音への影響が軽減されていきます。
#03幼児期〜学童期:
発音訓練・耳の治療
口蓋が割れていると、空気が鼻に抜けやすく発音に影響が出ることがあります。
言語聴覚士などの専門家によって、正しい発音のための訓練を行います。
#04学童期以降:
矯正治療・歯並びの管理
歯が生えそろってくる時期に合わせて、歯科矯正による歯並びの改善を行います。
骨や顎の成長を見ながら、適切なタイミングで治療を進めていきます。
いかがでしたか?
口唇口蓋裂と聞くと、不安に感じる方も多いかもしれません。
しかし、口唇口蓋裂のない方と変わりなく成長していくことが可能です。
成長の段階に合わせた治療を受けることで、
日常生活を問題なく送れるようになっているケースがほとんどです。
心配なことや疑問があれば、ひとりで抱え込まず、
まずはかかりつけの歯科医院や専門医に相談してみましょう。


